外国人への災害対策
外国人への災害対策
アドバイス/ふじのくに防災士 マハラジャン・ナレスさん(ネパール出身、焼津市在住)
正確な情報を多言語発信で
日本で大きな災害が起きると、世界中のメディアが速報します。
母国の家族や友人はそのニュースに接すると安否確認の連絡をしてきますが海外では時に不正確なニュースが流れることもあります。日本語のニュースを理解できていれば「正確な状況はこうだから安心して」と伝えることもできますが、日本語が堪能な外国人ばかりではないので、母国からの不正確なニュースが国内のコミュニティーで広がってしまうこともあります。正確な情報を多言語で発信してもらえることを望みます。
コミュニティー全体に呼び掛け
外国人の多くは宗教・文化を共有する同国人コミュニティーに所属して生活しています。
コミュニティーにはリーダー的人材がいて、彼らは日本語も上手です。自治会などが主催する防災訓練に参加を呼び掛ける際は「地域に住んでいる外国人」でくくるのではなく、その国のコミュニティー全体を対象に声を掛けてもらえると、個人も気後れせずに参加できます。
避難所では「あえて任せる」運営も
文化や宗教的な理由から食べられない食材があったり、決められた服装を着たりと外国人の中には日本人には理解しづらいルールに沿って生活する人が多くいます。「命が懸かっているときに特別待遇は出来ない」という画一的な難所運営ではなく、スペースや順番、スケジュールなど大まかなルールを共有した上で、それ以外の部分については同一の価値を共有する人たちに任せてみてはどうでしょうか。その際はコミュニティーのリーダーを責任者にしてお互い約束事は守り、信頼関係を深めていきましょう。
外国人のサバイバルスキル生かして
日本ではいざ停電となると生活のほとんどが混乱してしまいます。しかし、海外では「毎日の停電は当たりまえ」という国も少なくありません。実は、潜在的なサバイバルスキルは外国人の方が高いかもしれません。それ以外でも身の回りにある物で代用品を作るなど、経済的に恵まれていないからこそ身に付いた生活の知恵をたくさん持っています。「困ったときはお互い様」です。困ったことが起きたら積極的に声を掛け、外国人の知恵を活用してください。