TeamBuddy

高校生防災特集2020 My防災

Group Discussionグループディスカッション

自覚芽生えた10代の防災

体験を終えた生徒たちがグループディスカッションを通じて
発見や学びを共有しました

 新型コロナの影響で夏休みを利用した防災イベントなどが軒並み中止となり、学びの機会が激減する中実施された「TeamBuddy防災授業」。感染症対策を徹底しながら、体育館での体験を交えて課題を学んだ結果「コロナ時代の避難所生活」を垣間見ることができた訓練となりました。

 事前の体調チェック、当日の検温、消毒、間隔を空けての講義に加え、昼食時の私語自粛など終始緊張感を伴う環境で進められた授業でしたが、生徒たちは各講師の語りかけに耳を傾け、体験にも積極的に参加しました。なかでも昨年10月の大雨で自宅周辺が冠水した生徒たちは、一時的にトイレが使えなくなる体験をしていたことから、災害に備えることの重要性を一層深く理解したようでした。

 実際の避難所の多くも体育館に開設されます。座学からだけでは伝わりにくい広さや、横になったときの床の硬さなどを感じ取った生徒はこれまで漠然と想像するだけだった避難所生活を「自分事」として捉えることができるようになりました。

 体験を通して生徒たちは「危機感が高まった」「自分でやるという覚悟が生まれた」「学んだ知識を友だちにも伝えたい」という意識を持つようになりました。また、まだ知らない防災知識を動画サイトで学んだり、SNSで情報共有するのが効果的だとの意見も出されました。

当日、生徒たちは食料品を使って買い足す「ローリングストック」の考えを用いたBuddyBoxの説明を聞いた後、実際に商品を試食。火を使わずにおいしく食べられること、自立式のパウチで、食器を使わずに食べられることを体験した。
  • 静岡市葵区防災指導員 藤浪 清さん
    避難所でのベッドは「ぜいたく」ではなく、助かった命をつなぐ必需品です。今回、わずか数個の段ボールで快適なベッドができることを実感してもらえたと思います。しかし避難した人たちの中には組み立てに手間取る人たちもいるはずなので、積極的に手を差し伸べてください。その際は「ボランティアはやらせてもらう」の精神を忘れずに。
  • Wooマンボープロジェクト 浜田 晴子さん
    トイレの話、高校生にはかなり「照れくさい」テーマだと思います。しかし、食欲は抑えられても排泄は待ったなし、です。トイレの環境が悪化すると心理的なストレスに加え、感染症の危険も高まります。ほとんどの家庭は災害時のトイレ問題について具体的な備えが無いのが現状です。高校生が声を出し、家族で話し合うことから始めましょう。
  • 日本赤十字社県支部 成岡 亮さん
    人を助けたい気持ちを形にできるのが一次救命処置(BLS)です。手順を覚え救命の連鎖をつなげましょう。自身の安全確保や119番への通報など周囲の人と協力するのが重要です。また、新型コロナウイルス感染リスクについても正しい知識を持ち、マスクやタオルを使ってリスクを減らしましょう。

高校生の提言明日からの防災

「体験に勝る学びなし。体を動かして覚えよう!」
ベッドと床の差は歴然。菌やウイルスは舞い上がるホコリにも混入しているのだから段ボールベッドは新型コロナなど伝染病防止にもなる。誰もがベッドに寝られる準備が必要だ。一次救命処置はチームワーク。勇気を持って取り組もう。
「待ったなしのヤバい問題。他人任せでは解決しないぞ!」
講師の方に言われて気づいた「排泄は待てない」という大問題。自宅に携帯トイレを今すぐ備えようとみんなが思った。でもどこに売っているのか、家族は使えるか心配。恥ずかしいことじゃないから、家族やともだちとトイレについて話そう。
※生徒たちのレポートをまとめました

静岡大学 学生防災ネットワーク主催全国学生防災シンポジウム

学生防災団体の活動の活発化や災害時の連携を実現するため、オンラインミーティング及び各団体の活動を一覧できるプラットフォームづくりを行います。

日時/10月24日(土)10:00~17:00 19:00~オンライン交流会
場所/オンラインにて
対象/全国の学生

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