防災コラム

つなげる

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[しずおか防災人] お願いカードで広がれ、「共助」の輪 OurBuddy 28

Profile

「お願いカード」プロデューサー

土居 由知 さん

静岡市視覚障害者協会事務局長(県視覚障害者情報支援センター生活相談員)
「お願いカード」の問い合わせ先/「お願いカード」の問い合わせ先/同協会 Tel:080-1292-4930 メール:info@szssk.org

人は日々の情報の8割を視覚から得ているといわれています。つまり、視覚障害者は普段から情報の8割を受け取れない環境に置かれているともいえます。

災害直後の避難所は混乱が予想されます。開設後も刻々と変わる情報を集めることに避難住民は右往左往するでしょう。「お願いカード」は、誰もが避難所生活を送る上ですぐに知りたい①トイレの場所や使い方のルール②避難所での情報共有手段③移動に際しての支援の情報を、視覚障害者に伝わる形、言葉で提供してもらうためのツールです。

自治体の避難所運営マニュアルには視覚障害者への対応について書かれている場合もありますが、運営責任者が対応できるとは限りません。一方、障害者の中には自らの要望を説明するのが苦手という人も少なくないのです。視覚障害者が避難所でこのカードを提示することで、どのようなサポートが必要なのかが簡潔に伝わり、避難所の生活を始めることができます。

視覚障害者の中にはマッサージ師の方もいます。避難生活で体調不良の方のケアを担当するなど、避難所で貴重な人材として活躍することもできるでしょう。

このカードは決して障害者の権利を声高に主張するためのものではありません。避難所に身を寄せるほかの人との会話と共助のきっかけづくりに役立ててほしいと願っています。

多くの方にカードを備えてもらうために活動中ですが、カード製作費や配布方法など数多くの課題があるので一緒に解決してもらえる理解者を探しています。

読みやすい大きさの文字が黄色の紙に書かれたカード。裏面は個人情報が書き込める。

読みやすい大きさの文字が黄色の紙に書かれたカード。裏面は個人情報が書き込める。