防災コラム
備える
[しずおか防災人] ワンチームで支援連携を活性化 OurBuddy 37
Profile
駒井幹久(こまい・みきひさ)さん
静岡市在住。災害ボランティア葵協力隊メンバー。会社員。
2007年の石川県能登半島地震でボランティアをしたのがきっかけで災害ボランティアを続けています。経験を積み、現場リーダーを任せられるようになると、支援団体同士の連携が重要だと痛感させられました。同時に団体同士の連携の難しさも見えてきました。
組織単位の協業に限界
多くの団体はピラミッド型の組織を持っているのでそれぞれのトップまで情報が上がらないと動けず、決断に時間が掛かります。また、活動内容を決める際に重要な「困りごと調査」も、聞き取り能力が高い団体と、地域のことを熟知している団体がペアで行えば効果的ですが、それぞれの団体で実施すると、重複や調査不足などが情報共有のチャンスまで発覚せず非効率です。こうした「組織単位の協業」という枠組みの限界は静岡市でも長年、課題となっていました。
普段からワンチームで
ボランティア元年とされる阪神淡大震災から25年が経過し、ボランティアの世代交代が始まっています。静岡市では先輩たちのサポートの下、私のような若い年代のボランティアメンバーが中心になって普段から「社会福祉協議会(社協)・ボランティア・地域住民」を一つのチームとして運用する試みを進めてきました。
その結果「地域福祉のハブ」である社協との連携が深まりました。これはVCを運営する上で重要な前進です。災害が起きてから住民とVC間で信頼関係を構築するのは、長い時間掛かります。一方、日ごろから社協と一緒に活動すれば、事前に災害ボランティアの存在や役割などを住民に理解してもらえるため、発災時には「顔なじみ同士」で復旧活動に取り組めるようになります。