防災コラム

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[しずおか防災人] 復興支援は細くても長く OurBuddy 14

Profile

清水災害ボランティアネットワーク

大石 学 代表

1952年生まれ。静岡市清水区在住の会社員。
2000年の東海豪雨をきっかけにボランティア活動を開始。ボランティア受け入れを担う組織として同ネットワークを発足。平時は、被災支援活動や防災・減災の啓蒙・啓発活動を行い、災害時はネットワークメンバーが静岡市社会福祉協議会と協働でセンターを立ち上げる。

復興支援は細くても長く

17年前の東海豪雨※で被災した友人を助けたのがボランティアに関わるきっかけでした。

現地のボランティアセンターは、全国から約千人が集まっていました。「清水で災害が起きたら、誰がどこにセンターを立ち上げ、ボランティアを受け入れるのか」という疑問から聞いて回ったところ「誰」も「どこ」も決まっていない―。大きな危機感に突き動かされ、活動を始めました。

初めは現場での経験を積むことに専念しました。全国各地の被災地で汗をかき、さまざまな団体のやり方を勉強しましたが、力仕事に感謝されて満足という活動が多い中、足湯や茶会を提供している団体に、支援の本質を学びました。

がれきは撤去できますが、災害で壊れた心を癒やすのには長い時間が必要です。避難所から仮設、そして復興住宅と生活の場が変わるたびに、一から人間関係をつくり直す必要がありますが、大変な心労です。入れ替わり訪れるボランティア団体への対応も、時には負担になります。

足湯は「傾聴」の時間です。また、被災地では地域のきずなも傷ついているので、被災者同士の交流の場づくりとして茶会があります。

子ども向けの会を開いた際、スタッフが1人の子どもに「今度はいつ来てくれるの。また津波が来れば会えるの」と言われ、私たちは言葉を失いました。

それ以降、心掛けているのは「細くても長い支援」です。復興の各段階で生じる苦悩や葛藤を当事者と一緒に味わって、一緒に悩むことが真の支援だと信じています。

いつかは、私たちが被災者になる日がきます。復興支援は、その時に駆けつけてくれる仲間づくりでもあるのです。

※東海豪雨:2000年9月に名古屋市など中京地区で起きた水害