防災コラム

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[しずおか防災人] 犬の特性生かし人命救助に寄与 OurBuddy22

Profile

NPO法人「災害救助犬静岡」顧問

杉山 和平 さん

ドッグスクールスギヤマ(菊川市)主宰。1997年に「災害救助犬静岡」設立。2000年にNPO法人化。

犬の特性生かし人命救助に寄与

阪神淡路大震災で救助犬の活動を知り、国内の救助犬活動の草分けである「全国災害救助犬協会(富山県)」の協力も得ながら、訓練を始めました。現在、約50人の会員が20頭余りの犬を訓練しています。

犬にとって捜索活動は「見えない人をにおいで探す」という飼い主(ハンドラー)との「ゲーム」です。救助現場に人がいたり、作業音がしていても活動には影響しません。小型犬は家屋の狭い空間、大型犬は起伏の激しい土砂災害など、犬種ごとに活躍できる現場があります。木造家屋が多く隙間ができにくい日本の倒壊現場に合わせて訓練施設にも工夫を凝らしています。

被害が広範囲でどこから手を付けてよいか判断しづらい現場でも、犬の反応を目安にして効率的な救助活動が行えます。探索用機器は資格者が操作する必要がありますが、犬はにおいを追って自ら移動します。

こうしたメリットと災害現場での実績が認められ、このほど県警と連携協定を結びました。出動要請を受ければ速やかに現場で活動が開始できる体制が整いつつあります。

ハンドラーさんたちは訓練を通じて、愛犬とのきずながより深まると話しています。災害現場は2次災害などのリスクがありますが活動に誇りとやりがいを感じて取り組んでいます。

救助犬の捜索技術を磨くには子どもから高齢者まで、より多くの人を探す訓練が欠かせませんが、「行方不明者役」が不足しています。見つかるまでじっとしていればいいだけなので、ご協力をお願いします。

行方不明者役ボランティアの問い合わせ先/災害救助犬静岡
Tel.0537(36)2274  http://www4.tokai.or.jp/kyujokensizuoka/

倒壊家屋から被災者を探す訓練

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