防災コラム
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[しずおか防災人] 楽しくて頼もしい!広がる防災「的」公園 OurBuddy 30
Profile
静岡県建設コンサルタンツ協会 技術研究部会長代理
吉野 通範(よしの みちのり)さん
1955年、富士市生まれ。建設コンサルタント会社の技術センター勤務。40年以上にわたり県内の橋や道路の設計に携わる。
「CONPA」の問い合わせ先/同協会 Tel:054−272−3003 メール:info@sz-cca.com
「防災的公園」は行政が災害対応を念頭に設置する「防災公園」とは異なり、災害時に役立つ機能を備えた遊具や休息施設を設置したり、防災上の配慮を施したりした公園のことで、県内の技術者仲間での愛称です。このような機能を持った施設は阪神大震災以降、全国に広まりました。
座面を取り外せば煮炊きができる「かまどベンチ」や、テントの支柱に使えるパーゴラ(日よけ棚)、マンホールトイレ、命山などが整備されるほか、渓流を生かしながら豪雨による土砂の流出を抑える土木施設「砂防堰(えん)堤」を取り込んだ公園もあります。
県内7カ所を紹介
県建設コンサルタンツ協会が作製した冊子「CONPA」は、長泉町の「水と緑の杜公園」や吉田町の「北オアシスパーク」など県内7カ所を紹介。写真や図解を交えて特徴を説明しています。
近年は公園づくりに地域住民が参画し、防災機能の強化を求めるケースが増えています。平時の「楽しい」だけじゃなく、非常時の「備え、守り」もある―。建設コンサルタントはこうした公園の設計にも携わっています。冊子を通じて私たちが担っている役割を知ってもらえればありがたいです。
広がれ防災の輪
県民の防災意識向上につなげることも冊子を作った目的の一つ。地域防災を考えるための資料や学校の教材になればうれしいです。
私自身も公園に行くと、かまどベンチになっているかと気に掛けるようになり、防災意識が高まりました。冊子を知人に配ったりもしています。自分の周りでも備えの輪が広がれば良いなと願っています。