防災コラム
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[しずおか防災人] 終わらない泥との格闘に疲れ色濃く OurBuddy 36
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静岡大学 学生防災ネットワークメンバー
先月21日の朝4時に7人で2台のレンタカーに分乗し長野市に向かいました。同市北部災害ボランティアセンターで登録を済ませ、千曲川決壊地点のすぐ近く、赤沼地区で集会所の清掃活動をしました。
辺り一帯は建物1階の天井近くまで水没したようで、壁と床板が外され骨組みだけになった集会所のいたる所に泥がこびりついていました。
ブラシやスポンジを使って乾いた泥を落とすと細かいほこりが部屋中に舞う一方で、地面の一部はまだぬかるんでおり、乾燥するまでは床を張ることができない状態です。泥に足元を取られ、ゴーグルをしても入ってくるほこりに悩まされながらの作業でした。
復興進まず疲れ長期化
自宅に住み続けている方は2階以上で生活し、1階の清掃作業を続けています。避難所で暮らす方は自宅の清掃や修理作業に週末を充てるしかなく、心身ともに疲れているようでした。
赤沼は信州リンゴ発祥の地ですが、収穫・出荷する人手がありません。道路わきに「上の方はきれいなので自由に食べて下さい」という看板とともにリンゴが積み上げられていたのが印象的でした。
車の往来はありますが人影をあまり見かけずとても静かで、地区全体が疲労感に覆われているようでした。
住民主役の復興を支援
ボランティアの受け入れ体制については、住民のニーズが十分に反映されているのか議論になっているようですが、センターには「ONE NAGANO」というスローガンが掲げられていました。復興の主役は住民です。前向きな気持ちで復興に取り組めるように、息の長い支援が必要だと強く感じた活動でした。