防災コラム
つたえる
[しずおか防災人] 女性の視点を避難所運営に OurBuddy43
Profile
BouSaiSHImizu (ぼうさいしみず)会長
石田 民雄さん
1949年生まれ。2013年9月にふじのくに防災士になり、同年10月には日本防災士機構の防災士資格も取得した。本業は建築大工。5年前にリタイアしてからは遺跡の発掘調査に従事している。静岡市清水区在住。
静岡市清水区内の自治会や学校で防災講座を展開している市民グループ「BouSaiSHImizu(ぼうさいしみず)」の石田民雄会長に、これまでの活動内容と避難所運営の課題などについて聞きました。
BouSaiSHImizuはふじのくに防災士と地域のボランティア代表などで2017年8月に発足しました。現在は14人が会員に名を連ねています。これまで静岡市清水区内の自治会や学校を対象に防災講習会を開き、災害時を想定した図上訓練(DIG)や、避難所運営ゲーム(HUG)の普及に取り組んできました。自助、共助の大切さを伝えるよう努めています。
■リアルな実態伝える
最近、特に力を入れているのが「女性視点」からの避難所運営の講習です。東日本大震災や熊本地震では、避難所や避難先で女性や子供を狙った性暴力やDVが増加しました。着替えをのぞかれたり、わいせつな行為をされたりというようなことがあったと聞きます。そこで、女性会員を中心に事例を収集し、全国の被災地で起きたリアルな実態を伝えて対策を講じるよう呼び掛けています。犯罪防止の観点で言えば、避難所での単独行動は避け、仮設トイレの設置場所も暗がりではなく、明るくて人目に付く場所を選ぶようにしたほうが良いでしょう。こうした問題は表の場で語られることが少ないように思います。受講者からは「驚いた。多くの人に聞いてほしいのでもう一度、開催して」といった声が寄せられています。
■顔見える関係構築
女性視点の避難所運営講習に加え、今後は陸上自衛隊との連携も模索したいです。大規模災害発生時は板妻駐屯地(御殿場市)の第34普通科連隊が静岡市の支援をしてくれることになっています。隊員の方々の視点で防災対策について講演してもらい、地域住民と顔の見える関係を構築しておくことも大切な備えになります。ただ、地域の防災力向上にはわたしたちだけでは力が足りません。講習を受けた方々が自ら広めていく仕組みづくりが進めばと考えています。